新しい恋愛が始まったにも関わらず、ふとした瞬間に「前の彼はこうだったのに」「また同じ失敗をするかもしれない」と、つい過去の恋と比較したり、失敗を恐れたりしていませんか？
この「恋愛トラウマ」や「過去の比較」は、目の前の新しい彼との関係に不必要な影を落とし、あなたの幸せを阻害します。
今回のコラムでは、認知心理学に基づき、過去の恋愛の失敗を「記憶の上書き」によって克服し、新しい彼との関係に集中するための具体的な心のステップを伝授します。
認知心理学 なぜ人は「過去の恋」を美化してしまうのか？
「前の彼の方が優しかったかも」と、無意識に過去の恋を美化してしまう現象には、心理的な理由があります。
ピーク・エンドの法則
人は過去の出来事を記憶する際、その出来事の「ピーク」（最も良かった瞬間）と「終わり」（別れの瞬間）の感情に大きく影響されます。
特に、辛い別れを経験した場合、「辛かったけど、良いこともあった」という記憶が強調され、無意識に美化されてしまいます。
認知的不協和
「あの別れは間違いではなかった」と自分に納得させるために、過去の交際を「良い経験だった」と肯定し、その結果、現在の彼との違いを比較してしまうのです。
この認知の歪みを修正し、現実を見る力を取り戻すことが、トラウマ克服の鍵です。
トラウマを克服！「記憶の上書き」を行う3つのステップ
過去の記憶を消すことはできませんが、その感情的な影響を弱めることは可能です。
STEP 1：「過去の記録」を具体的に書き出す
過去の恋の「良い思い出」ではなく、「別れるに至った具体的な理由や不満」をすべて紙に書き出しましょう。感情的にならず、「〇〇という言動が嫌だった」という事実だけを淡々と書き出すのがポイントです。
効果： 美化された記憶を修正し、過去の恋が「現実にはうまくいかなかった」という事実を脳に認識させます。
STEP 2：「今の彼」の魅力を「五感」で記憶する
過去の彼と比較しそうになったら、すぐに意識を「今の彼とのポジティブな体験」に向けましょう。比較対象を、美化された過去の記憶ではなく、五感で感じる現在の喜びに置き換えます。
実践法： 「彼の笑い声を聞く」「彼の優しい手の感触を思い出す」「彼が作ってくれた料理の味」など、五感で得た幸せを記憶することで、新しいポジティブな記憶を脳内に上書きします。
STEP 3：「未来への投資」として彼を評価する
彼との関係で不安を感じたとき、「この人は過去の彼と同じ失敗をするのではないか？」と恐れるのではなく、「私たちは新しい未来を作っている」という視点に切り替えましょう。
実践法： 「過去の彼はこれができなかったが、今の彼はそれを乗り越えようと努力してくれている」というように、彼の成長やあなたへの誠実な姿勢を評価する言葉を自分にかけましょう。これは、彼との関係を過去の延長ではなく、**未来への「新しい投資」**として捉え直す行為です。
まとめ
過去の恋のトラウマは、あなたの「幸せになりたい」という強い願いの裏返しです。
しかし、過去の記憶に支配されるのではなく、認知心理学の力を借りて、その記憶の感情的な影響を薄めましょう。
新しい彼との関係に集中し、過去の失敗を教訓に変えることで、あなたは必ず幸せを掴むことができます。